FX 高値と安値を見つける
高値と安値がわかればトレンドが見えてくる
このように定義された「トレンド」ですが、次に「高値」と「安値」という言葉の定義を確認しましょう。
人によって高値と安値の捉え方が違えば、トレンドの解釈にも影響が出ます。
逆に、高値と安値が間違っていなければ、トレンドの定義に照らし合わせれば誰でも同じ基準でトレンドの判断ができます。
高値と安値にもいろいろな解釈があると思いますが、これからお話するトレード手法を解説する上での取り決めとして次のように定義をしたいと思います。
高値と安値の定義
高値とは高値の高値にはさまれたより高い高値
安値とは安値と安値にはさまれたより安い安値
言葉で表現すると難しいのですが、次の図をごらんください。
これは後ほど解説する「フラクタル」というテクニカル手法の考え方で、 少なくとも3本以上の連続したローソク足のパターンから高値安値を判定 するとうものです。
この図は高値確定のイメージですが、3本目までは高値がどんどん高くなっています。
仮に③のローソク足で上髭の長いローソク足が出たりしても、そこで相場が止まったという確認にはなりません。
何らかの拠り所(例えば上髭の長い陰線)をもとに天井だと思って売るとしても、成功するかもしれませんが、上昇の力が強い(売り手より買い手が多い)場合、更に高い4本目のローソク足が出現することもあります。
そこで④のローソク足の高値が③を超えなかった時に、はじめていったんの上値を見たとの判断ができます。
同様に安値確定のプロセスでも少なくとも3本の連続するローソク足の組合せの中ではじめて安値を確認することが出来ます。
このような手順で安値と高値の判定ができれば、あとはトレンドの定義に照らし合わせればトレンドの判断が出来ます。
実際にチャート上で確認してみましょう。
チャートはドル円日足チャートで連続するローソク足から高値と安値を拾いだしたものです。
ピンク色の□で囲んだところで、3本のローソク足の組合せから高値②が判定できました。
その後、水色の□で囲んだところで、5本のローソク足の組合せから、安値⑤の判定ができました。
※⑥⑦は⑤のローソク足の高値と安値の間におさまる「はらみ線」で判定には使いません。
今回は日足チャートでの解説ですが、1時間足や5分足でも、(最低)3本のローソク足からの高値と安値の判定方法は同じです。
ただし、短い時間軸(日足より1時間など)ほど高値と安値の発生頻度が高く、長期の時間軸ほど長くトレンドが継続するという特性があります。
戻り高値と押し目
さてここでもう少しトレンドの判断をする上で大切な言葉、「押し目」と「戻り高値」についてお話ししたいと思います。
先ほど書きましたように、 トレンドは短い時間軸ほど反転しやす傾向があり、長い時間軸ほど長続きする傾向 があります。
5分足などを見ていると、頻繁に高値と安値が現れて、上昇と下降を繰り返しているのが1時間、4時間、日足と時間軸が長くなるにつれて高値や安値の出現回数が減っていき、長い期間と大きな値幅のトレンドとなる傾向があります。
このような特性から、チャートを確認するときは長期のチャートから短期のチャートに向けて見ていき、トレンドをとらえていくことが正しいチャートの見方になります。
さて、本題の「押し目」と「戻り高値」ですが一般に「上昇トレンドの最中にできる安値を押し目といい、下降トレンドの最中にできる高値を戻り高値」といいます。
しかしながら、短期のチャートでは頻繁に高値と安値が発生するので、本当の意味で相場が反転したタイミングを見つけることが難しのです。
そこで、一般に言う押し目や戻り高値の中でも特別なものを見つけ出して「押し目」「戻り高値」という表現をしていきたいと思います。
そこで押し目と戻り高値を次のように定義してみました。
押し目と戻り高値の定義
・押し目とは、上昇トレンドの最中にできる安値で、直近の高値とその前の高値の間にある安値。かつ直近の高値はその前の高値よりも高くなければならない。
・戻り高値とは、下降トレンドの最中にできる高値で、直近の安値とその前の安値との間にある高値。かつ直近の安値は、その前の安値よりも安くなければならない。
またまた文章にするとわかりづらいですね。
この図の状態をトレンドの定義より「上昇トレンド」と判断します。
直近の高値C(直近とは手前という意味)と、その前の高値Aの間にある安値Bは「押し目」です。
なぜなら、高値Cは「直近の高値はその前の高値よりも高くなければならない」という条件を満たしているからです。
では安値Dはどうかというと、これは押し目ではありません。理由は「直近の高値Eはその前の高値Cよりもまだ高くなっていない」からです。
同様に押し目の判定をすると、
この図の状態をトレンドの定義より下降トレンドと判断します。
直近の安値C(直近とは手前という意味)と、その前の安値Aの間にある高値Bは「戻り高値」です。
なぜなら、安Cは「直近の安値は、その前の安値よりも安くなければならない」という条件を満たしているからです。
では高値Dはどうかというと、これは戻り高値ではありません。理由は「直近の安値Eはその前の安値Cよりもまだ安くなっていない」からです。
これからお話するセッションFXトレードでは1時間足と15分足を組合せてトレードを行います。、
・1時間足の「高値」「安値」を「押し目」「戻り高値」として支持線(サポートライン)や抵抗線(レジスタンスライン)として使い、15分足で1時間足のトレンド方向に仕掛けていきます。
このように複数の時間軸を組合せることにより、より長いトレンドの中でこまめにエントリーチャンスを見つけることが出来ます。
次はセッションFXトレードの重要なルール「時間のルール」についてです。