FXで価格が動く理由を知る
FXで価格が動く理由を知れば、相場がやさしくなる
FXで稼ぐといってもスワップ金利による金利差を狙ったトレードと、値動きから利益を得るトレードでは同じFXといっても全く異なるゲームです。
ここから先は「FXで値動きから利益を得るというゲーム」で知って置かなければならないルールという観点で進めていきます。
FXに限らず「値動きをねらったトレード」を行う上で最も大切なこと、それは「相場で価格が上がったり、下がったりする理由」を知っておく必要があります。
それは雇用統計がよかったからとか、金利が上昇したりとかの経済的な視点ではありません。
しろふくろうの秘伝書「ゾーン最終章」では「値動きを生み出す力」という言葉で表現されています。
そして、その本の中で相場で失敗する一番の理由が、「値動きを生み出す力に対するはなはだしい理解不足」によるものと書かれています。
そんなわけで、「価格が動く理由」をまずはまとめてみたいと思います。
相場が動くメカニズムはとてもシンプルな公式で表すことが出来ます。
買い手の力>売り手の力 → 価格が上昇
買い手の力<売り手の力 → 価格が下落
買い手の力=売り手の力 → 価格が均衡=モチアイ相場
こうして書くと分かりきった話に思えますが、トレードが成立するためには、かならず「売り手」と「買い手」が必要です。
例えば、ドルを売るにはドルの買い手(ドルを買ってくれる人)が必要ですし、ドルを買うにはドルを売ってくれる売り手が必要で、それぞれ取引相手になるトレーダーがいない限り、注文は成立(約定)しません。
これは一般的な商取引でも同様で、パンを作っても(売り手)お客様(買い手)がいなければお金が入ってこないし、パンを買いたくても(買い手)パンを作ってくれる人(売り手)がいなければパンを手に入れることは出来ません。
経済の視点では「供給(売り手)」と「需要(買い手)」という言葉であらわされ、先ほどの相場で価格が「相場で価格が上昇したり、下落したりする理由」と全く同じです。
需要>供給 → 消費者が競って手に入れようとするため価格が上昇(インフレ)
需要<供給 → 売れ残って価格が下落(デフレ)
需要=供給 → 価格が安定
つまり価格の決まる最も基本的な考え方「市場価格」という法則が為替、株価でも価格を動かすメカニズムです。
今更ながら言われなくても、そんなこと分かりきっていると当然のように思うかもしれませんが、「値動きの原動力」という視点でもう少し掘り下げてみましょう。
2000年くらいまでは個人投資家にとって、リアルタイムで株価や為替レートのチャートを見ることは難しいものでした。
しかし現代ではインターネットとコンピューターがあればだれでも十分な情報を手に入れることができるようになり、トレードも簡単に行えるようになりました。(更に進んでスマホでもトレードが行えますよね)
一般的にテクノロジーの進歩は利益を増大します。
しかしながらテクノロジーが進歩してもトレードでは裏側で起こっていることは本質的に変わっていません。
テクノロジーの進歩で、一般にトレードが簡単に、身近にできるようになりました。
しかし、逆にチャートの値動きは「生身の人間が作り出している」という感覚がわかりづらくなっており、トレードではテクノロジーの進歩が利益にには直接結びつかないという矛盾があります。
さて元に戻って、値動きの原動力についてすすめていきましょう。
株式の取引の場合、株券が市場で流通している量によってはなかなか注文が成立せずに株価がつかないこともあります。
しかしながら、FXではよほどのマイナー通貨ペア出ない限りは、私達が出す程度の注文の大きさでは取引が成立しないことはないのでさらに「値動きの原動力」についての感覚が希薄です。
この取引がスムーズに成立することを「流動性」といい、この流動性が高い(取引が成立しないリスクが低い)というのが私が考えるFXの大きな魅力のひとつです。
さてその値動きの原動力である「買い手」と「売り手」ですが、ここでポイントとなるのは買い手、売り手とも 「人数」ではなく「ボリューム(量)」であるということです。
例として、100人の人が相場を上がると思って買うとします。
そして1人の人(または企業など)が何らかの理由で売り注文を出します。
その時100人の相場感と1人の相場感だけを比べれば明らかに買いの意見が大勢を締めます。
これが人数からみた視点です。
では、もう一つボリュームの視点で見るとしましょう。
先ほどと同じ参加者100人が1万ドルづつ買いをするとして、合計で100万ドルの買い注文があるとします。
他方、売り手の1人はある企業で、200万ドルのヘッジの売り注文を出すとします。
すると注文のバランスはどうなるでしょうか?
買い手 100万ドル < 売り手 200万ドル
となり、大勢の上がるから買うという予想(相場観)とは逆に相場が下がるという結果になります。
それも少しの下落ではなく、売り手と買い手の差額100万ドルの買い手がつくところまで相場は下がり続けます。
値動きの原動力は、買い手と売り手の相場観によって出される注文が価格を動かすエネルギーになり、その注文数の不均衡が大きいほど価格が大きく動きます。
そして、その結果として価格が上がるか、下がるか、横ばいになるかが決まる(=価格が動く理由)のです。
この感覚があるかないか?がトレードで生き残っていく上でとても重要なポイントです。
なぜなら「自分の注文(売りか、買い)の反対側にどのような需要があるか?」という視点があれば、なぜか急にに価格の上昇や下落にブレーキがかかった時に「何か変だな?」という感覚で手仕舞いをすることが出来ます。
目に見えない壁があるようなイメージです。
しかしチャートの動きをPCの画面を(売り手と買い手の存在を考えずに)単にコンピューターゲームのようにチャートの上げ下げだけの視点で見ているだけでは、見えない壁にはね返されて、手仕舞い(利食いや損切り)のタイミングを逸してしまう事があるのです。
よくローソク足は価格だけでなく需求のバランス(売手と買手の力パワーバランス)を表すといわれます。
トレード経験のある方は、前の安値を下回った後に急反発して損切りの注文がついたあと価格が上昇して悔しい思いをしたことがあるかと思います。
そんな時、ローソク足が確定した時には長い下ヒゲをつけていることが多くあり、この下ヒゲが買い手の力の強さをあらわし、トレード用語で、将来サポートラインとか支持線ということばであらわされるチャート上の節目として注目されることになります。
そして、この「売り手」と「買い手」の力(注文)の強さによる、チャートの高値と安値を使った方法が、これからお話する価格の動き「プライスアクション」を使ったトレード手法の基本となります。
ジョー
2018年8月7日 @ 1:36 PM
需給の説明の赤枠部の2行目が「供給<需要 → 売れ残って価格が下落(デフレ)」と鳴っておりますが、供給と需要が逆じゃありませんか?
しろふくろう
2018年8月7日 @ 2:20 PM
ご指摘ありがとうございます。早速訂正させていただきました。 残りのコンテンツを早くアップできるよう頑張りますね。